EMできれいで豊かな海に変身し始めた東京湾

2014.01.10 Friday

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EMできれいで豊かな海に変身し始めた東京湾

微生物の世界は、人間界と同じように多勢に無勢の世界である。したがって、EMのように蘇生的な機能を持つ有用な微生物群を人工的に大量に投入し続ければ、自然界の微生物相は、時間の経過とともに蘇生的な状況に変化するようになる。

現今の、東京湾の喜ばしい異変は、まさに、その象徴的な現象である。本DNDの第18回で「EMできれいで豊かな海に甦った三河湾」について紹介したが、愛知県の三河湾は、かつては全国で、最も汚れた湾で殆どの地域が遊泳禁止となっていった。10数年の本格的なEMボランティア活動によって全国トップレベルの漁場となり、かつて、遊泳禁止となっていた海水浴場は、すべてオープンできるまでになってきた

EMの大腸菌や腐敗菌の抑制効果は想像を絶するものがある。江戸川区の海水浴場もその恩恵の一例である。前回にも紹介したように江戸川区の左近川や新水緑道等々に5年前から、かなりの量のEMが投入され続けているのである。
大腸菌は腐敗性有機物を基質(エサ)とする腐敗性細菌の代表格である。すなわち、大腸菌の数は、食品や水の腐敗性(有害微生物数)を示すバロメーターである。そのため、食品や水の安全基準の指標となっており、1cc当り30個以下が水泳可能な限界である。かつての日本橋川の大腸菌は1cc当り数千万個もあったが半年後、数百個レベルに下がり、1年後には30個以下のレベルになったのである。

もちろん、大雨が降り、下水から溢れた汚水が流入すると、その限りではないが、数日もすると30個以下となる。すでに述べたように、EMの主要構成菌である乳酸菌や酵母は、大腸菌の基質(エサ)となる腐敗性の有機物を水中で発酵分解し、有用なプランクトンのエサに転換する機能を持っている。

その結果、大腸菌の基質(エサ)がなくなり腐敗性の微生物は増殖することが出来なくなり激減するのである。ヘドロが消失するのも同じ原理であり、時間の経過とともに、地表面に砂が現れるようになる。

このレベルに達すると、どこでも魚貝類が増えるが、EMを本格的に投入すると、シジミは半年後、アサリは1年後ぐらいで大発生し海藻が目立つようになってくる。

このような状況を踏まえ、EM活性液投入による日本橋川浄化活動の余得は、以下の通りである。
すなわち、日本橋川に投入されたEMは、神田川にも逆流し両河川を浄化し、隅田川に流れ、隅田川を浄化しつつ、その水流は浜松町のモノレール沿線の河川(古川、目黒川、立合川、海老取川)も浄化し京浜運河を経て東京港を逆流し東京湾に出るが、その一部は海老取川の河口を抜けて、多摩川の河口域に流れ出ているのである。

これまでの経験では、EMを本格的に投入すると、1〜2年後にその効果は明確に現われ、3〜4年ではかなり広域にその力が広がるようになる。そのことは本DNDの第16回でも詳しく述べたが、冒頭の読売新聞の記事のように多摩川河口域のシジミも5〜6年前に急増したと述べている。その他の記事も、すべて6年前以降から東京湾の喜ばしい異変が起こったと述べているのである。

その象徴的な現象が昭和58年から東京都が行っている多摩川に遡上したアユの数の調査結果である。


東京都は、本年(H25)の遡上数が昨年よりも少なくなったのは降水量の減少などによるものであるが依然として高水準となっており、その成果は河川の環境の改善によるものであると強調しているが、はたしてそうなのだろうか?。簡単な判定方法は、東京湾に河口のある江戸川、荒川、鶴見川を調べれば解かることである。「昨年4月11日ごろから荒川上流の明戸・六堰の魚道で稚アユの遡上の多い日に当ると魚道の中が稚アユで真っ黒になる程の数を観察した」という情報が発信されており(deepriver.naturum.ne.jp/e995712.html)江戸川でも鶴見川でもアユが急増しているという情報も得られている。結論を言えば前号冒頭のコメントの最後の部分である。「要は東京都や千葉県がこの事実を受け止め、荒川、江戸川はもとより、東京湾に流入する下水処理場や全河川をEMで浄化すれば、新たな海浜レジャーや水産振興が期待できるものである。」 EMのコストは従来法よりもはるかに安く安全である。今、東京湾に起きている諸々の喜ばしい異変は、すべてボランティアの成果であり、公は1円も負担していないのである。