「農家に生まれて、落ち葉とワラを混ぜて
堆肥を作ることを父親から教わり、
「堆肥は微生物が作っている」と言われたことが研究の原点。」 大村智
去年ノーベル生理学・医学賞に選ばれた大村博士は、EMの比嘉照夫教授の書籍を読み、以下のように述べています。
大村智ー「自然が答えを持っている」
https://www.amazon.co.jp/%E8%87%AA%E7%84%B6%E3%81%8C%E7%AD%94%E3%81%88%E3%82%92%E6%8C%81%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B-%E5%A4%A7%E6%9D%91%E6%99%BA/dp/4267020582
「先般、書店で目に留まり買っておいた『微生物が文明を救う』(比嘉照夫・渡部昇一共著/クレスト社)を子供の頃の農業と今日の農業とを比較しながら、通勤の車内で一気に読み終えた。
化学肥料や農薬に頼る現在の一般的な農業に対して、微生物を利用するEM技術を導入するというものだ。化学肥料に頼る農業は土壌を疲弊させ、田んぼに埋められた藁は容易に土壌化しない。EM技術とは、そのような土壌をEMによって改良することで食料を増産させる技術であり、また、もともとやせている土地を改善することも可能だという。
我々が子供の頃は、このEM技術の原形とも言うべき堆肥作りを手伝った。山から木の葉を掻き集め、藁を集めて下肥を撒き、微生物を繁殖させ(発酵させ)て作ったものだ。これを利用すれば、土壌を絶えず生きた形で使うことができる。この原理を応用し、いわば堆肥作りを効果的に行うために役立つ微生物を選び混ぜたものが、EMである。
化学肥料を作るには膨大なエネルギーを必要とする。そのことは巡りめぐって環境破壊の元凶にもなる。微生物は適当な培地をもって増殖させることができる。そして、この栽地(養分)のほとんどが農業生産物か、その廃物である。
一農学者によって、化学肥料を使う以前の農業の中にあった人類の知恵が歴史から抜け出し、再び役立とうとしているのである。」