海外研究:EM菌(有用微生物群)は土壌中のセシウム137の形態を変換し作物における放射性物質の蓄積を低減する ベラルーシ国立科学アカデミーの研究結果

2018.01.15 Monday

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    DNDサイトより

    http://dndi.jp/19-higa/higa_126.php


    本日は、 EMとEMボカシの土壌中セシウム137への影響に関する研究結果について発表致します。
    チェシク博士の発表でも述べられましたが、放射線生物学研究所では、EMを用いた様々な実験を20年以上に渡り行ってきました。最も重要な結果の一つは、EMは土壌にある放射性セシウムおよび放射性ストロンチウムの植物への移行を抑制することです。


    このスライドには、これまでに実験室および圃場で実施した一部の実験結果が示されています。
    左のグラフですが、カリウム肥料とEM施用が、レタスの葉のセシウム137の蓄積に対して有効であることを示しています。室内実験では、塩化カリウムの施用で最も低いセシウム濃度を示しました。また、EM及びEMボカシの施用は、放射性セシウムの蓄積を減少させる効果的な方法でした。
    右のグラフですが、圃場実験ではレタスの放射性セシウムの蓄積を減少させるEM技術の有効性が確認できました。「EMとEMボカシ」及び「EMと塩化カリウム」の組合せで最も良い結果が得られました。
    放射性セシウム濃度は、対照区と比較して23%低下し、カリウム肥料のみよりも良い効果を示しました。


    左のグラフにおいて、EMとEMボカシの施用がエンバクの放射性セシウムと放射性ストロンチウムの蓄積を減少させることがわかりました。また、右のグラフでは、異なる濃度のEMのトウモロコシへの施用は、植物体中のセシウム137の蓄積を10〜38%、種子中では14〜33%減少させました。したがって、EMとEMボカシの施用により、エンバクとトウモロコシにおけるセシウム137の蓄積の減少が認められました。


    作物における放射性物質の蓄積の減少は、植物が利用可能な放射性物質の物理化学的形態の変化、及び、植物の根が生えている土壌中の放射性セシウム濃度の低下、例えば下方への移動によって引き起こされると考えられます。

    このスライドでは、EMによる異なる処理が、植物に利用可能な形態の放射性セシウムの割合の減少にいかに影響を与えているかを示しています。
    3つの対照区を設けていますが、一つ目は植物に利用可能なセシウムの割合が低い無処理の乾燥土壌です。2番目と3番目は より現実的な対照区ですが、それぞれ水を繰り返し添加した区と有機物を添加した区になります。
    これらの区では、植物に利用可能なセシウムの割合ははるかに高くなります。しかし、EMを5%の濃度で繰り返し添加するか、またはEMボカシを5%の用量で添加すると、根から吸収可能なセシウム137の割合が乾燥土壌と同程度に減少します。


    私はまた、EMは土壌中の植物の根のそばにあるセシウムを下方に移動させると推察しました。この仮説を検証するために、実験室と圃場において一連の実験を行いました。室内実験において、土壌を水、酢酸およびEMの異なる濃度で洗浄しました。セシウムの移動は、EMの比較的低いpHに因るものと考え、酢酸を添加する区を設けました。繰り返し処理した後、土壌試料を洗浄した液体中から抽出されたセシウム137の量を調べました。
    グラフはその実験結果です。 予想通り、酢酸は水よりも土壌からセシウムを3倍多く抽出し、酢酸によりセシウム137の移動が増加することが分かります。EMの1%希釈では、水と同程度でした。 しかし、さらに濃度の高いEMの10%希釈では、セシウム137がより抽出されました。 EM10%希釈液で土壌を洗浄すると、水の場合と比較してセシウム137の下方への移動速度は2倍以上に増加しました。


    実験終了後、土壌試料中に残っているセシウム137を調べたところ、予想外の結果が得られました。酢酸で最も多くセシウムが抽出されたことから、土壌中に残った放射能は最も少ないと予想しましたが、土壌に残ったセシウムが最も少なかったのは、EMで抽出した場合でした。


    このスライドは、土壌に残ったセシウムと液体中に抽出されたセシウムを合計した数値を示しています。EMの10%希釈液で処理した土壌では、セシウム137の約20%が消失したことになります。この変化は統計的にも有意でした。この結果をどう説明できるのでしょうか? この質問に対する答えを見つけるため、別の実験を試みました。


    この実験には、チェルノブイリ警戒区域から採取した1kg当たり約10,000Bqのセシウム137を含む土壌を用いました。100ml容量の容器に入れた土壌に、異なる濃度のEMあるいはEMボカシを混合し、室温下で保管しました。そして、実験の前と18か月後のセシウム137を測定し、減少率を算出しました。


    このグラフでは、異なる濃度のEMで処理された土壌中のセシウム137が、どのくらいの割合で低下したかを見ることができます。赤い点線は、放射能崩壊による物理的減衰率を示しています。対照区として水あるいは水と有機物を添加した場合では、物理的減衰率とほぼ一致しています。しかし、1%と10%濃度のEMを添加した土壌試料では、物理的減衰率よりも大きくなりました。10%濃度のEMではデータにバラツキがあるので統計的な差を示せませんが、1%濃度のEMでは、対照区である水を添加した場合と比較して、統計的に有意な差がありました。


    1%及び5%濃度のEMボカシを添加した土壌試料では、物理的減衰率よりも大きくなり、対照区である水を添加した場合と比較して、減少率が統計的に有意に増加しました。
    これは非常に奇妙な結果なのです。放射能の崩壊定数が変動するという考えはとても論争の的になる問題です。なぜなら、1930年にラザフォードらにより出版された本「放射性物質からの放射線」で定められた崩壊定数不変の理論は、以後80年以上にわたり、放射性物質はいかなる条件下においても固定された指数関数的な減衰に従うと考えられているからです。


    しかしながら、近年では、崩壊率は一定ではなく、太陽の影響を受けているという提案があります。 
    2009年、インディアナ州パーデュー大学の物理学者らは、シリコン32と塩素36の長期測定における説明できない年間の崩壊率の変動について議論した論文を発表しました。その中で、それぞれの崩壊率は、地球が太陽に最も近い年に最も加速したようであったと指摘しました。 彼らは、太陽からのニュートリノが何らかの形で崩壊率に影響を及ぼしており、年毎の崩壊率の振幅は地球と太陽の間の距離の年変動に関連している可能性を示唆しました。しかし、この考えは、物理学者の間では懐疑的に扱われました。米国ヴァージニア工科大学の物理学者、パトリック・フーバーは、もしもこの現象が現実であり、「実験上の何らかの操作によるものでない」とすると、これは「異常な新しい物理学を必要としており、さらに特別な証拠が必要」であると述べています。


    もう一つ例をあげます。それは、アメリカン大学教授でマックスボルン研究所にも席をおくReiss博士による放射性崩壊率の変化の測定についてです。彼は、低周波電磁場がセシウム137のβ崩壊を加速する可能性について報告しています。セシウム137の放射性崩壊は2段階からなります。第1段階はβ崩壊であり、準安定短寿命のバリウム137を形成します。この後、バリウムは、661.6keVのエネルギーを有するガンマ線の放出と共に安定な状態に移行します。電磁場はこのうち第1段階のベータ崩壊を加速しました。
    ところで、生物体内で低周波電磁場を発生させるシステムを見つけることができるでしょうか?私はそれが細菌細胞内の光合成器官ではないかと思っています。光合成器官の膜上におけるイオン勾配の形成は、光エネルギーから化学結合エネルギーへの変換にとって重要な条件となります。
    したがって、私の仮説とは、細菌中の光合成器官の膜上のイオン勾配の振動により、局所的な低周波電磁場が生成され、それがセシウム137の崩壊率を加速するというものです。これは一つの仮説であり、それを証明するためには「特別な証拠」が必要です。


    その仮説を検証するための第一歩は既に実施しました。この実験では、5%濃度のEMボカシを加えた乾燥土壌に水を徐々に加え、その土壌中のセシウム137の崩壊率を測定しました。ご存知のように、細菌は活動のために水を必要とします。土壌中の水分含量をある程度まで増加させると、細菌の活性は高まります。
    土壌水分が26%に増加したとき、我々はセシウム137の崩壊率の増加を観測しました。この時、乾燥した土壌とは統計的にも有意差がありました。したがって、この効果は土壌中の有用微生物の活性化に関連していると推察することができます。もちろん、これは私たちの仮説を検証するための最初の結果に過ぎません。このような実験を何度も繰り返し、再現性を得たうえで、その他の確認も行っていかなければなりません。しかしながら、我々は上手くいくものと考えています。


    まとめです。
    ・EMは土壌中のセシウム137の形態を変換します。その結果として、作物における放射性物質の蓄積を低減します。
    ・EMとEMボカシは、セシウム137の植物に吸収可能な物理化学的形態の割合を減少させます。
    ・EM及びEMボカシで処理した土壌では、セシウム137の低減率が理論的減衰率と比較して増加することを認めました。
    ・近年、電磁場がセシウム137のβ崩壊を加速するという報告がなされていることから、今回の現象の要因として、光合成細菌の膜上の電磁場の影響によるβ崩壊の加速ではないかと推察しています。